やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2024/05/28
定額減税と個人住民税の特別徴収

[相談]

 私は会社で給与計算を担当しています。
 先日、当社の従業員の住所地のある各自治体から、令和6年度分の「給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税額の決定通知書(特別徴収義務者用)」が送付されてきたのですが、内容を確認したところ、私を含め、個人住民税の特別徴収対象者全員の6月分の徴収額が0円となっていました。これはなぜでしょうか。教えてください。

[回答]

 ご相談の6月分の徴収額が0円となっているのは、個人住民税の定額減税が実施されることに伴い、令和6年度分の個人住民税の特別徴収について、令和6年6月分は徴収せず、定額減税「後」の年税額を令和6年7月分〜令和7年5月分の「11」ヶ月で均した税額を徴収することと定められているためです。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.所得税・個人住民税の定額減税の概要

 令和6年分の所得税と令和6年度の個人住民税(一部令和7年度あり)については、定額による特別控除(定額減税)が実施されます。

 具体的には、各人の所得税と個人住民税額から、原則として、下記の特別控除の額を控除すると定められています。

(1)所得税の定額減税額

  • @本人:3万円
  • A同一生計配偶者又は扶養親族(いずれも居住者(※1)に該当する人に限ります):1人につき3万円

※1 居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。

(2)個人住民税の定額減税額

 令和6年度分の個人住民税については、納税義務者(本人)、控除対象配偶者及び扶養親族1人につき1万円を乗じた金額が、個人住民税の所得割額から控除されます。

 また、令和7年度分の個人住民税については、控除対象配偶者以外の同一生計配偶者を有する人(※2)について、1万円を個人住民税の所得割額から控除することとされています。

※2 控除対象配偶者以外の同一生計配偶者を有する人とは、納税義務者(本人)の合計所得金額が1,000万円超で、かつ、配偶者の合計所得金額が48万円以下の人をいいます。

2.給与所得に係る個人住民税の特別徴収制度の概要

 地方税法では、市町村は、(個人住民税の)納税義務者が前年中において給与の支払を受けた人であり、かつ、その年度の初日において給与の支払を受けている人(給与所得者)である場合においては、原則として、その納税義務者に対して課する個人住民税のうちその納税義務者の前年中の給与所得に係る所得割額及び均等割額の合算額は、特別徴収の方法(=給与天引き)によって徴収するものとすると定められています。

 また、特別徴収義務者(会社)は、原則として、特別徴収税額の12分の1の額を、6月から翌年5月まで、それぞれ給与の支払をする際毎月徴収し、その徴収した月の翌月の10日までに市町村に納入する義務を負うとも定められています。

3.令和6年度分の給与所得に係る個人住民税の特別徴収に関する特例

 令和6年度分の個人住民税の特別徴収については、上記1.の定額減税が実施されることから、上記2.の取扱いとは異なり、令和6年度分の個人住民税の特別徴収対象者について、令和6年6月分は徴収せず、定額減税「後」の年税額を令和6年7月分〜令和7年5月分の「11」ヶ月で均した税額を徴収することと定められています。

 このため、ご相談の特別徴収税額の決定通知書の6月分は0円になっているものと考えられます。

[参考]
所法2、改正措法41の3の3、地方税法321の3、321の4、321の5、附則5の8、5の9、5の10、総務省自治税務局市町村税課「個人住民税の定額減税に係るQ&A集」(令和6年4月1日改訂)(第2版)など

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。



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